Vol.2:絵本「みどりの船」

みどりの船(あかねせかいの本)
クェンティン・ブレイク作・千葉茂樹

出版社 あかね書房
発売日 1998.05
価格?? ¥ 1,680(¥ 1,600)
ISBN?? 4251005252

bk1で詳しく見る??オンライン書店bk1

 夏休みに二週間おばさんの家にいることになったぼくとアリスは、すぐに退屈してしまいます。(きっと、おばさんちには子どもがいなかったのね)
二人がお隣のお屋敷にもぐりこんでみると、広大な庭の奥には植木を刈り込んで作った「みどりの船」がありました。
マストもあるし、小屋で作った「船室」には本物そっくりの舵があります。
「ほんとうに海にいるみたい!」二人が喜んだその時、
「水夫長! あそこにいるのは誰でしょう、密航者ではないかしら?」と大きな声。
その声の主トリティーガさんは、「この者どもをどれいにしましょうか?」なんて言い出すし、
庭師のような水夫長は「甲板磨きをさせましょう」と答えます。
(密航者・どれい・甲板磨き! なんてワクワクする言葉でしょう!)
 こうして、二人の素敵な夏が始まりました。子どもたちは毎日、みどりの船でトリティーガさんと世界中を航海してまわり‥‥。


 こんな空想遊び、子どもの頃にはよくやったものでした。
テーブルの下に潜り込んで「山小屋の遭難者」、木登りをして「忍者ごっこ」。
でも少し大きくなると、なりきって遊ぶことに「照れ」が出て、いつの間にか空想は物語の中でするようになってしまいました。
大人になった今では、子どものごっこ遊びに「渋々つきあう」有り様です。
そんな自分を、ちょっと反省しました。


 この絵本は、思いっきり遊ぶ喜びを、私たち大人にも生き生きと思い出させてくれます。
ましてや、子どもにはたまらない魅力があると思います。
 大きな絵本ですが絵は少し小さいので、大人数のクラスで読み聞かせをするのには向かないかもしれません。
我が家の子供たちを膝に乗せ、じっくり絵を見ながら読むには、ぴったりです。


DATA:小学校低学年から高学年まで。読み時間は、ゆっくり読んでおよそ8分。