Vol.6:絵本「蜘蛛の糸」

蜘蛛の糸(日本の童話名作選)
芥川竜之介作・遠山繁年絵

出版社 偕成社
発売日 1994.10
価格?? ¥ 1,680(¥ 1,600)
ISBN?? 4039636708

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 高学年の読み聞かせって、何を読めばいいの? という方に、お薦めの本です。
            
『ある日の事でございます。お釈迦様は極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました』
という一文で始まる、ご存知、芥川龍之介の名作「蜘蛛の糸」の絵本です。
                       
「声に出して読みたいナントカ」ではありませんが、音読すると、芥川の日本語の美しさに、ただもう感嘆する思いです。日本語って、こんなに品があって、艶があって、凛として、優しいんだなあ、と嬉しくなります。子供たちには、美しい日本語にたくさん触れて欲しいです。知らない言葉は使えませんから。
                 
 この絵本は、絵にとても力があって、芥川の文に負けていません。版画を主に、とても複雑な技法で書かれた絵だそうです。文章とともに、絵もじっくりと味わい、もの哀しい余韻に浸る贅沢さ! 子どもばかりでなく、大人にもお薦めです。
                  
『後にはただ極楽の蜘蛛の糸が、きらきらと細く光ながら、月も星もない空の中途に、短く垂れているばかりでございます』
                  
DATA:読み聞かせは5・6年生以上。ゆっくりよんで15分くらい。