Vol.12 「ともだちは緑のにおい」工藤直子
ともだちは緑のにおい(きみとぼくの本) | |
工藤直子作・長新太絵 出版社 理論社 発売日 1988.12 価格?? ¥ 1,260(¥ 1,200) ISBN?? 4652012284 bk1で詳しく見る?? |
絵本が続いたので、今回は読み物をご紹介します。
「のはらうた」の詩人、工藤直子さんの詩情あふれる優しい童話。
長新太さんの絵も、素敵です。
登場するのは、ライオンとかたつむりとロバ。
え? かたつむり?
ほらね、どんなお話か気になるでしょ?
ある日、お日さまに誘われ、ライオンが散歩に出かけました。
不思議なうずまき模様の石ころを見つけて、なめてみたら、
石ころは「おっおっおっ」と声をあげて転がりました。
それからかたつむりとライオンは、
茂みの中で「風になっている」ロバと出会いました。
こうして3匹は、友達になりました。
詩人のかたつむりは、日記と辞書を持っています。
難しい言葉は辞書で調べて、ライオンやロバに教えてあげます。
(例えば、哺乳類奇蹄目とか、哲学的、とかね)
おしゃれなライオンは、くしと鏡を持っています。
がたてがみを三つ編みにしてみたら、ロバが羨ましがったので、
ロバのたてがみやしっぽも三つ編みにして、リボンで結んであげました。
こうして「よそいき」になったロバは、ちょっと「よそ」へ行ってみました。
ワニに出会って一緒に遊び、ワニのしっぽにリボンをつけてあげたら、
よそいきのワニになりました。
・・・・などなど、短いお話と短い詩が、交互に収められています。
愉快で、とぼけていて、優しく、のんびり、しみじみした、そんなお話が一杯です。
作者の、動物たちそれぞれに向けられる温かな目とユーモアのある語り。
読み聞かせても、大人が読んでも、子どもが読んでも、面白い本だと思います。
ともだちは海のにおい(名作の森) | |
工藤直子作・長新太絵 出版社 理論社 発売日 2004.09 価格?? ¥ 1,575(¥ 1,500) ISBN?? 4652005253 bk1で詳しく見る?? |
「ともだちは緑のにおい」が気に入ったら、是非、「ともだちは海のにおい」もどうぞ。
こちらは、大きくて賢いクジラと、小さくて元気なイルカの友情の物語。
クリスマスのプレゼントにもお薦めです。
DATA: 読み聞かせるなら、小学校2,3年生から。
自分で読むなら3,4年生から。
高学年〜中学生〜大人になっても、楽しく読める素敵な本です。