「アルバートのアルファベット」 レスリー・トライオン作 ブックローン出版

アルバートのアルファベット
レスリー・トライオン作

出版社 BL出版
発売日 2000.02
価格?? ¥ 1,428(¥ 1,360)
ISBN?? 489238898X

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主人公のアルバートは、どうぶつだに小学校の大工さんです。
ある日、校長先生から「学校の庭の散歩道にアルファベットを作ってください」
という依頼の手紙が届きます。
期限は3時まで。水飲み場の水漏れも直さないといけません。
さあ、アルバートの腕の見せ所です。
ところが、「A」から「Z」まで作るはずが、
「M」と「N」を作ったところで、材料の木がなくなってしまいました。
このあと、アルバートはどんなアルファベットを作るのかな?


今回ご紹介するこの本は、正直言って、読み聞かせには難しいと思います。
何しろ、「文章」は一番最初の校長先生の「手紙」と、
アルバートの「つぶやき」が最初と途中の二ヶ所だけで、後は全部絵のみだからです。
文章が何もないので、アドリブで語らなくてはなりません。これはちょっと難しい。
でも、描かれている絵が、細かく丁寧でユーモアたっぷりなので、
ついついじっくり見入って、あれこれ想像してしまいます。
子どもと絵を眺めて「あーでもないこーでもない」とおしゃべりすると
とても楽しい絵本です。


実は、主人公の大工のアルバートはアヒル(!)です。
白い羽毛に青いエプロンがとってもチャーミング。
でも、彼は職人さんらしく、黙々と(何しろセリフがほとんどない)作業をします。
少ない材料を創意工夫で様々に活かして、
どれ一つとして同じものがないユニークなアルファベットを作って行きます。
真剣に仕事に打ち込む表情は、これがなかなか渋い。(アヒルなのに)
図面を引き、木をくりぬき、実に見事な職人技を見せてくれます。(アヒルなのに)
白い翼でトンカチを持ち、黄色いくちばしにクギをくわえ、
尻尾を振ってクギを打つ姿はとってもユーモラス。(アヒルだから)
大人も子どもも、きっとアルバートが好きになるでしょう!
そして、彼が作った「アルファベット」ときたら! 
これで遊べるどうぶつだに小学校の子どもたちが羨ましい!


どうぞ、それぞれのご家庭で、オリジナルの「セリフ」やサイドストーリーを作って、お楽しみ下さい。

姉妹編として、「アルバートの感謝祭」という本があります。

アルバートの感謝祭
レスリー・トライオン作・川端誠

出版社 BL出版
発売日 1997.10
価格?? ¥ 1,470(¥ 1,400)
ISBN?? 4892386596

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